猫白血病ウイルス(Felv)陽性です と言われたら(前編)

こんばんは。大丈夫ちゃんです。

まだ大丈夫です。

 

今日は、最近なぜだかわたしのもとへ舞い込んでくることの多い

白血病ウイルス(Felv)

について、解説していきたいと思います。

 

わたしもスーパーカワイイネコチャンと二人暮らしをしているのですが、ウチの子は、元々は道端でうずくまっているところを保護された野良出身です。

※かわいすぎる。

 

うちのスーパーカワイイネコチャンは猫白血病ウイルス陰性ですが、そこらへんで暮らしている野良猫チャン、本当にこのウイルス持ってる子がとっても多いです。

 

  • 野良猫チャンを拾ったけど、獣医さんに言われるがままウイルス検査をしたら、「猫白血病ウイルス陽性でした」なんて言われてしまった!どうしよう?
  • 調子が悪くて病院に連れて行ったら、猫白血病ウイルス陽性と言われた。どうしたら治るの!?
  • さっき子猫を拾ったけど、譲渡するのに証明書が必要だから検査をしてもらったら、猫白血病ウイルスは陰性だった!

 

こんな飼い主様のために、仕事終わりで疲れていますが、一生懸命解説していきます。皆さんもきっと日常生活、疲れているとは思いますが、頑張って読んでください。

 

 

まず、猫白血病ウイルスって何ですか?

FeLV -猫白血病ウイルス- は、レトロウイルス科ガンマレトロウイルス属に分類され、エンベロープを持つRNAウイルス#$%&’!〜£△○*¥

ですが、そんなことは知っていても何の役にも立たないため、ここでは割愛します。

 

このウイルスが発症すると、ネコチャンにいろいろな症状を引き起こします。

残念ながら、感染し、発症してしまったネコチャンは、健康な子に比べると寿命が短くなります。

まれですが、感染してしまったけれど、生涯発症しない、という子もいます。

発症したネコチャンたちがどんな症状を起こすかについては、次の記事で説明します。

 

ネコチャン同士でうつるの?ヒトにはうつるの?

ネコチャン同士では結構簡単にうつります。同じお皿でご飯を食べたり、喧嘩で引っ掻いたり噛まれたりして、うつります。あとは、お母さんからお乳を介して子猫ちゃんにうつったり。

ヒトにはうつらないので、たくさん撫でてもらって構いません。

そこまで感染力が強いウイルスではないのですが、猫白血病ウイルスを持ったネコチャンをたくさん撫でたあとは、手を洗ってから他のネコチャンを触りましょう。

 

どんな時に検査すればいいのよ

わたしが普段診察していて、猫白血病ウイルスの検査を行うのは、「猫白血病ウイルスを発症していそうだなーと思った時」というのはもちろんなのですが

先に述べたとおり、ネコチャン同士で簡単にうつってしまうので、新しく迎え入れるネコチャンを連れてこられた飼い主様には、一応チェックするのをオススメしています。

 

しかし!あるあるなんですが

さっき拾ってきたので、とりあえずウイルス持ってないか、検査してください!

のパターン、こちらはあんまり意味がありませんので、お金の無駄遣いです。あくまで暫定的な結果だととらえておきましょう。

なぜなら、例えば昨日、猫白血病ウイルスをもったネコチャンと接触があり、感染を起こしていた場合、今日の検査では引っかかってこないからです!

確実によそのネコチャンとの接触がなくなってから、4週間は開けて、再度検査をしましょう。

 

ウチの子、とっても元気なんだけど、検査してみたら陽性って、どういうことなのよ!

このウイルス検査に引っかかるということは、血液中に、猫白血病ウイルスの一部が存在しているよーということです。

ウイルスに感染しているネコチャンは、実は4パターンあります。

①やばい(進行性感染)

②このままいけば治るかもしれん(退行性感染)

③ほとんど感染してないのと同じ(感染不成立)

④ほぼないけど、体の一部にウイルスいる(局所性感染)

 

実際に治療が必要になるケースは①進行性 のときだけです。

②退行性 のときは、一度感染を起こしたけど、免疫力でなんとか防御できたパターンです。数ヶ月は感染した細胞が体に残っていますが、大体半年もすれば排除されてなくなります。

注意が必要なのは、ウイルス自体が排除されたわけではないということです。

 

元気いっぱいで症状もないけど、検査だけ引っかかった②のネコチャン。

半年後、もう一回検査してみましょう!ここで陰性なら、よっぽど日常生活でほかのネコチャンに感染を広げることはないので安心して大丈夫です。

※免疫がメチャクチャ下がると、またウイルスが暴走して①の状態になってしまうことがありますので注意

 

本当は今日で記事を書き終えたかったのですが、もう眠気の限界です。

先生は文章を書くのは好きですが、お勉強があまり好きではないので、もう明日の夜勤に備えて寝ます。

後編(症状と治療編)は、また更新します!